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進行中の世田谷区の住宅

SETAGAYA,2021 house

OVERVIEW

進行中の世田谷区の住宅。

夫婦2人と子供のための住宅である。

前面道路が南側で道路からも高低差のない、とても好条件の立地だが、丁度敷地の北東側に送電線の鉄塔が食い込んでいて、敷地形状が変形していた。その部分をどのように使うか、また、送電線という存在自体をどう取り扱うかという部分に着目して設計を進めている。


北東側に送電線の敷地が食い込んでいる

一般的に考えていくと、南側の道路側に大きな開口や庭を設けて、送電線側は閉じる。というゾーニングになるが、南側は道路と高低差がなく、まともに開口部や庭を設けても、人の気配が気になって居住空間自体が心地よいものにはならないのではないかと考えた。

一方で送電線側は、見た目こそ鉄塔でインパクトがあるが、逆に考えるとそこに家が建たないので半永久的に日照を得られる方向となる。北東側だが朝日も入るし、曇りの日には天空光が得られるので、開口を設ければ柔らかい光を取得することができる。

そうした考えの元に、LDKをあえて北側へと配置し、南側は玄関と水回りとした。南側からの光は、2Fの床を半階ほどずらして上へあげることで、リビングの天井高さを確保し、2Fの床と天井との隙間から南側からの採光をLDKへと取込む。

洞窟の奥のような心地よさと、上方から降り注ぐ明るい光と、北側からの柔らかい光に満たされる空間がスキップフロア状につらなっている。

住宅街の街区に沿った直交グリッドとそれとはまったく無関係の送電線の食い込みによる別のグリッドの間に生まれる地形のような空間。通常では意識することのない、別次元の線が交錯したことで生まれる新しい住まいの心地よさをつくる。