WORKS

斜めの床と天井とテーブルのカフェ

GUNMA,2017 interior

OVERVIEW

ホテルの一階にある飲食店の店舗設計。

もともと計画地のすぐ近くで飲食店を経営していたお施主様より、もう少し大きな店舗に引っ越したいとのことで、テナントを探すところから共に進めたプロジェクト。計画地は、車通りの多い大通りに面したホテルの1階でもともと別の店舗が入っていて、現在ウッドデッキが張られている場所は、もともと花壇や植栽が植えられていた外構があった。管理されていない樹木が植えられており内部の視認性も悪かったため、私たちは、思いきってそれらを撤去し道路や歩道に対してアピールできるような内部と一体感のあるウッドデッキをつくり、店舗の看板代わりにするとともに、外部空間と内部を緩やかに繋げるように、斜めの線で結んでいきました。


もともとの店舗風景

カフェというプログラムもあり、内部では外のテラスが中に引き込まれたような雰囲気で食事を楽しむことができたらよいなと感じたので外部のウッドデッキはそのまま、窓下の腰壁まで立上げ内部に入るとそのまま床まで落ちていくような形で、内部空間にテラス席をつくるような計画となっている。もともと段差のある店内のフロアを、ウッドデッキが流れ込むようなイメージの斜めの線でつないでいき、それに呼応するような形でテーブルや天井を計画しました。
外部から床がつながり異なる高さの場所をつくっていく

店内はワンルームでありながら天井高さが2.2m程度から3m程度までの高低差があり、座る場所によって違った雰囲気で食事を楽しむことができます。同じような席が続くのではなく、丘の上で気持ちの良いところを見つけてご飯をたべるような感覚の飲食店です。内装は、プラスターボードに塗装をするようなつるっとした仕上げではなく、あえて下地の素材を拾いながら全体の色を統一し、部屋全体としての色味の揺らぎ感をつくることを意図している。

壁の塗装の質感

所在地:群馬県
規模:約150㎡
主用途:飲食店
竣工:2017年
意匠計画:IYs-Inoue Yoshimura studio-
照明計画:tuki lighting office
施工:株式会社オムニバス
写真:渡邊 聖爾
受賞:日本空間デザイン賞2018