WORKS

ななめの線の住宅

KANAGAWA,2019 house

OVERVIEW

分譲された旗竿状敷地の新築計画。

旗竿状の敷地は3方を近接する住宅に囲まれてはいたものの、突当りは南東側に開けていて、その眺望を取り込みながら全体を計画していくことが、今回の住宅のテーマの1つとなる。一方で、敷地条件は厳しく北側からの高さ制限や、微妙に台形に変形した土地形状等で、一般的な直交するグリッドによるプランニングをしていくと、いびつで使いずらい空間が所々に発生し目立ってしまう。そこで、思い切って変形した形状や低く切り取られる屋根形状を生かして、ななめの線による空間計画を試みている。

敷地に対角線を引く。
対角線をずらす

対角で分割した平面は、床を1m程度ずらして、段差をつけることで、エリア分けした。極端な鋭角が発生する3角形の平面をした床がいくつかできた。通常の住宅では発生しない、ななめの線が重なる空間となったが、使えない場所がないように、壁の位置や部屋の位置を工夫している。

各空間形状

対角線によって分けたといってもほとんど壁はなく、ほぼワンルームの空間。それでもスキップフロアの段差や、真ん中に設けた壁などで、個々の空間の独立感と居心地は確保しながらも、なんとなく全体が繋がっているという状態をつくったので、家族がどこにいてもなんとなく気配がわかる。

鋭角や鈍角、高いところや低いところや狭いところなどが多数混在するラフな空間割。その日の天気や、午前中や午後の日当たり具合に応じて、本棚のベンチが心地よかったり、天井の低いカーペットに寝ころびたくなったりと、最初に設定した機能に縛られることなく自由に家の中を楽しむことができる。

3.5mと天井の高い玄関ホールの先の鋭角に狭まった空間は、子供の一番のお気に入りの場所になった。通常は計画から排除される、余剰空間のようなものが折り重なってできたような家になったが、逆に何にも縛られない心地よさのようなものがあると感じている。

所在地:神奈川県横浜市
規模:約110㎡
主用途:住宅
竣工:2019年8月
意匠計画:IYs-Inoue Yoshimura studio-
構造設計:川田知典構造設計
施工:株式会社坂牧工務店
写真:渡邊 聖爾
メディア:100%LIFE
メディア:アーキテクチャーフォト
メディア:KLASIC
メディア:リクルート発行 HOUSING 2020年6月号
メディア:KJ 2020年8月号
メディア:メルシーマガジン 176P~掲載
受賞:Inter national Design Awards 2019
受賞:KDA2020 LONGLIST 選出
選考中:SKY DESIGN AWARD 2020
受賞:JID AWARD2020