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建築にかかる費用について

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IYs井上です。

この頃は、コロナで在宅されているかたも多いと思いますので、このページでは、設計事務所が関わる場合の建築のコストについて少しだけ詳しく書いてみたいと思います。

家を建てたり、リフォームしたりする際には、まず建築の費用について考えると思いますが、この建築費は、場所や工務店、仕様によってもころなるのでとても分かりずらい内容となっています。建売住宅は既にできているので、価格がついていますが、注文建築となると打ち合わせをしたのちに各仕様を決めて見積もりをとるので、全体にかかる費用がわかるまでに時間がかかります。ただ、おおまかにはある範囲に収まってきますので、よくあるパターンで解説してみたいと思います。

ざっくり考えると、建築を建てる費用の項目は以下のような感じです。

①建物本体(純粋に建物のみ、エアコンや家具等は別)
②外構費(建物の周り)
③付帯費用(水道引込、解体、造成、地盤改良)
④設計費(設計事務所の場合設計費用が別)
⑤申請費(建物を建てるうえでの各種申請業務)
⑥諸経費(ローン手数料、保証料、登記、水道加入金etc)
※土地がないあ場合は土地の費用もかかりますが、持っている前提としてます。

例えば、完成された更地の分譲地に木造2F、延床30坪の家を建てようとする場合、ざっくりですが

本体坪単価 60万※1×30坪=1800万
外構費 100㎡×1.5万=150万
地盤改良 80万
設計費 250万
申請費 30万
合計 2310万 (税別表記)

※1:エアコン、カーテン、家具工事等の設備はない建物の価格。

となります。これに、個人によりますがローンの保証料や登記の費用が掛かってきます。ローンの保証料は借り入れの2%程度、登記費用は30万前後。

床暖房をつけたり、壁の素材を左官にしたり、キッチンのグレード上げたり等、仕様によって坪単価もピンキリですが、一般的な木造住宅を建てる場合の素の状態のコストです。中堅どころのハウスメーカーで建てるのも、設計事務所で建てるも金額的には、大差はないのです。意外と設計事務所に頼むと高くなるイメージを持たれている方も多いですが、建物形状にもよりますが、合い見積もりなどで比較すると、ほとんど変わらないことが多く、安い場合もあります。予算に応じて、色々なグレードの仕様を割り当てていくのですが、特注品が多くなると坪単価は高くなっていきます。

ここで、注意しなければならない点は、土地の立地状態や形状によって、③の付帯費用が大きく変わってきます。例えば古屋がある場合は解体費用が発生します。30坪くらいの古屋は150万程度はかかります。また、水道が宅地内にない場合は、新たに引き込みが工事発生するので、道路の状況によって100万前後の費用が発生する場合があります。傾斜地であれば、基礎や造成に費用が掛かります。土地の状態によって総合的な建物の費用は変わってくるので、土地購入の検討をされている方はまずご相談いただく方が、より確かな金額がわかります。

設計事務所の場合は、設計費が別になり一般的なハウスメーカーと比べると高くなりますが、ハウスぺーカーや工務店は設計費が工事費の中に入っているので、実質的には差し引きすると大差はないです。住宅の場合は工事費の10%~13%程度が多いです。

設計と施工が、同一の会社の場合は、金額がすぐに出てくるメリットやワンストップでできるメリットもありますが、設計事務所が関わる場合は、工務店とのやりとりはほとんど設計事務所を介するので、直接値段の交渉や細かなオーダーをしなくてもよくなります。また、細かな調整や仕様の検討など、細部に至るまで検討ができるというのもメリットの一つ。細かく打ち合わせをしていくので、期間はスタートから引き渡しまでで1年くらいかかることが多いです。大きければもっとかかることもありますが、長く住むことを考えれば、後悔のない打ち合わせをしたいと思っています。

建築に関わり始めて20年くらい経ちますが、日本における住宅事情を考えると、設計者や建築家という存在が、欧米諸国の感覚よりも希薄だなといつも感じていますが、最近はSNS等のメディアによって、設計者の存在が以前よりも大きくなっていることも実感しています。

よい建築の背後には、良い設計者がいて、良い工務店、職人さん達がいます。やればやるほど、この単純な原理によってしか、良いものは作れないのだなぁと感じる今日この頃。。。長くなりましたが。

また細かく書いていきます。