FLOW

お問い合わせから竣工までの流れ※下記の流れによらないこともありますが、一般的な流れを記載しています。

01はじめに

何も決まっていない段階でも相談してもらえると嬉しいです。知人からのご紹介や、インターネット、雑誌やTV等のメディアを通じてIYsを知ってくださり、お問合せいただくことが多いですが、ホームページのお問合せフォームからメールいただくことが多いです。お問い合わせの内容も様々ですが、土地をこれから探す方もいらっしゃれば、既に土地があって、建て替えの計画の場合もあったり、急いで建てる会社を探さなければという方もいます。

設計事務所というと、なんだか敷居の高い感じがしますが、前職では総予算で2000万を切る建物も多く手掛けていました。建物は、仕様や場所、つくり手によってコストも変わってきますし、人によって求めるものも多様になってきていると感じます。施主様の自宅で打合せすることもありますし、普段からスーツも着ていませんので、個人的には気軽に密度の高い打合せできると思っています。

私自身、施主の皆様には言いたいことを気兼ねなく設計者に伝えられるような雰囲気を作りたいと思ってます。メールですと、細かな内容まではお話しできませんので、次の段階として日程を決めてIYsの事務所や、ZOOM等のwebツールにて打合せを設定します。

02初回の面談

初期の面談は無料です。最初の面談では、できれるだけ千駄ヶ谷の事務所にお越しいただいていますが、ZOOM等でのweb面談も行っています。施主の皆様には、私たちがどんな環境で、どんなものを作っているのか、肌で感じていただきたいと考えてます。事務所は、正味20畳程度の小さな部屋ですが、模型や様々な素材、過去のプロジェクトの模型など、リアルな設計風景があります。設計はとても地道な作業です。雑誌やTVでみる出来上がった空間はほんの一部で、実際には、薄い紙を一枚一枚積重ねるような地道な作業を、この小さな空間で行っています。

初回にお話しする内容は、施主様のご相談内容のヒアリングが主となります。現時点の不安点や土地購入前での注意点、資金相談など。特に全体に関わる予算配分に関しては、建築工事という不透明なものだからこそ詳しくご説明いたします。また、IYsの設計や施工監理に関する考え方などを知っていただくことも大きなところです。

  • IYsの仕事の進め方
  • 設計する時に心がけていること
  • 自分たちが良いと感じる空間
  • 過去の事例
  • おおまかな費用感の話
  • 進行のスケジュール感

等を説明しています。

一般的な住宅でも設計しお引き渡しするまでは、少なくとも1年はかかります。当然施主の皆様とは密にコミュニケーションをとっていきます。それだけ多くの時間を費やす中で、設計に関する考えや趣向が異なる場合、必ずしもよいものがつくれるとはおもいません。設計やデザインの表面的な話をする前に、この部分をお互いに理解し進めていくことが重要だと考えています。色々とお話ししていると2~3時間程度経過していることが多いです。

03ご提案

具体的に敷地が決まっている場合は、その敷地に対してどのような建築が可能かを提示します。具体的には、ラフなプランやスケッチ、模型などを作成します。ヒアリングから2~3週間程度いただいて作成しています。少なくとも3つ、多いとそれ以上の設計案をご提示しています。

期間をかけて1つの案を練り上げる方法もありますが、IYsでは初期のご提案は可能性の提示だと考えています。何かを判断するときに、比較対象がない中では、それが良いのか悪いのかわからない場合も多いですし、1つの練り上げられたものだけをお見せする場合には、知らず知らずの間に施主を説得してしまいかねないと考えているからです。説得するよりも、一緒に考えていきたい。プロセスを共有したいと考えているので、いくつかのアイディアを提示してます。

もちろん、最初の提示の中で決まることもあれば、色々と組み合わさって別の案へと進化していくこともありますが、殆どが後者となります。最初から、ご自身が建てたい建物の形状やイメージがはっきりしている方は殆どいません。色々な可能性を見た上で、徐々に目標とするゴールが見えてくることが多いです。いくつかの案の可能性を説明し、全体の費用感をお伝えしていきます。

04設計者の選定

ご提案の内容や可能性、全体の予算感が良いと感じていただければ、具体的な設計に移る前に設計監理契約をします。進めていく場合は、設計費用の見積書を提示し契約内容は、事前に確認いただいた上で進めていきます。設計費は、工事費の10%程度になることが多いですが、内容によって都度お見積もりさせていただいています。

※提案内容、予算に納得いただけない場合は、上記の提案費用として5万円(税別)いただいております。提案の内容からすると到底営業していけない金額ですが、設計事務所として少しでも多くの方に提案していきたいと考えた上での設定です。

05更なるプランの検討(基本設計)

いくつかの設計案の中で、徐々に湧き上がってくる要望を吸上げ、設計案を進化させていきます。最初に提示したプランで決まることもありますが、殆どの場合は、徐々にゴールへと向かうような形で計画は変形していきます。

設計案の方向性を決める時には、模型を活用し平面だけではなく立体的に検討し、施主にとってもわかりやすいものであることを意識してます。平面図だけ見せたとしても、それで全体がわかる方は私を含めてほとんどいないです。空間を認識するには、模型が一番わかりやすく実感がわいてきます。そのうえでCG等で、素材のイメージを入れ込みます。

06細部にわたる詳細な設計(実施設計)

ある程度、設計案の形が決まってくると各種素材や家具などの細かな部分を検討していきます。素材の検討には、CGを活用することが多いです。計画段階の窓の大きさを入れ込み、太陽の角度を計算して、室内の明るさや窓の位置を検討していきます。

現在のCGソフトは光の入り方のイメージがかなりの精度で表現できるようになってきているので、ほとんど実際のイメージに近いものを事前に確認することができます。このあたりまで来ると最終の形が見えてくるのでワクワクしてきます。

07照明計画

全体の空間や素材の方向性がある程度決まったところで、照明やコンセントなど電気関係の検討をしていきます。IYsでは、小規模なものであれば自社で照明の計画を行っています。平面計画や素材の選定が完璧にできていたとしても、照明の位置一つでだいなしになってしまうこともありますが、逆に、照明の計画次第で日中と日没後の室内の雰囲気がガラッと変わったり、とても落ち着く空間になったりします。

コンセントやスイッチの位置も重要です。住んでみて、使ってみてあれ?と思うことが多いのがスイッチの位置。またコンセントの位置も後々後悔することが多い項目の一つです。何度も確認し使い勝手が良い位置をみつけていきます。

08詳細見積もり依頼

細部にわたる素材選定が終わった段階で、何社か選定し詳細な見積を取ります。見積もりは、計画地のエリアや建築計画の内容によって、提出する会社が変わります。工務店やゼネコンなど会社によって得意なものもあれば不得意なものもあるからです。また、場所が近い会社の方がアフターケアや経費の掛かり具合も少なくなりますので、やる気を出してくれるということもあります。ただ、設計事務所が考える計画の内容、細部の納まり等については理解して一緒に考え挑んでくれることが条件となりますので、ただただ安いだけの会社には見積もりは出さないようにしています。

この詳細な見積もりに関しては予め概算をとったり事前に相談しておいて、良さそうな工務店を事前に絞っておきます。いきなり詳細な図面を渡されても対応できる工務店は、数少ないですし、応対の雰囲気でその会社の熱意が見えてくるからです。

09金額交渉・工事業者決定

算出された見積もりが、予算に収まっている場合は、意中の工事業者を決定し請負契約の準備をします。算出された見積もりが予算を超えている場合は、予算に近づけるための調整を行います。この際には、施工する請負業者を絞った状態で、その会社と打合せしながら減額項目の検討や金額交渉を経て再度金額を算出し、請負契約へと進みます。同時に建物を建てるための許可申請も進めていきます。

10着工・地鎮祭(契約からここまでで半年くらい※30坪程度の住宅)

工事業者が決まり、建物の許可申請が下りれば着工となります。着工前には地鎮祭を行うことも多いです。地鎮祭は、土地の神様を鎮める行事ですが、施工者と施主のご家族との初対面でもあり、一つの区切りとなるので、行うことをお勧めしています。

着工に際しては、事前に細かな内容を施工者と打合せし、図面には書ききれない部分の細部を確認していきます。毎回異なる工法や、素材を使っていくことが多いので、こうした地道な作業をつみ重ねていきます。

11現場監理

現場が始まると、IYsは設計監理者として設計図面が正しく施工されているかどうかをチェックしていきます。細かな図面を多数用意していますが、実際には図面に描ききれない部分が多数あり、そうした細かな納まりを逐一現場と確認しあいながら進めていきます。
施主様との打ち合わせも終わりません。決定した図面を基に、再度現場でも納まりを確認し、素材のサンプルを取り寄せ色合いのチェックや位置の確認をしていきます。現場をみて気が付くことや思いつくこともあります。この現場段階での内容が、設計事務所を介する場合の一番のメリットといえると思っています。設計と施工が同一だと施工に対するチェックもどうしても甘くなってしまうものです。

早くつくって、儲けを出すということよりも、良いものをつくること、これまでにない価値の創造、という部分を基軸にしていますし、その部分が根幹になければ我々のような設計事務所の存在意義がなくなってしまいますので、この現場監理の部分は念入りに行ってます。自分たちの確認もあれば、現場でより良い方向へと修正することもできるからです。変更が多いと現場からは嫌がられてしまいますが、なるべく変更しないように、でも気が付けば修正していくというスタンスで進めます。

12外構計画・工事

着工前にあらかじめ予定していた外構図を基に、現場でも外構形状の打合せを行います。実物を前にエントランスのアプローチや植栽の打合せ、素材の打合せを行います。敷地によって外構が広いところもあれば、小さなところもありますが、少しでも植栽が植わって照明が当たれば、建物の見た目もひときわ良くなります。私自身植物が好きなので、庭いじりを良くしていますが、季節ごとに植物が育っていくのをみるのも、一つの楽しみだと思います。

外構は、建物が完成してからの工事になります。植物を植えていくのは、できれば冬時期よりも暖かくなっていく時期の方が根付きも良いので時期を見て植えていきます。

13完成検査・引渡し(契約から約1年前後)

完成前には、施工会社、IYsがキズや汚れなどをチェックし、施主様に内覧いただきます。この時点で気が付いた箇所や手直しがあれば、修正し、後日お引き渡しとなります。

14点検等

完成後、不具合があればご連絡いただき工事業者共々点検いたします。1年が経過したくらいで、1年点検を実施しています。住み慣れたころに住み心地やよかったところや不具合がある箇所を伺います。1年が過ぎても、何かあれば連絡をいただき対応しています。長いこと打ち合わせを重ねていくと、お客さまというよりは、家族や親せきのような感覚になります。そうした感覚で、1つ1つ丁寧に設計しています。

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