IYs井上です。
道路の工事があちこちで始まっていて、年末を感じる今日この頃。
話は変わりますが、設計する際によく思うこと、光の広がり方について考えることが多いです。
プランを考えることと同時に、光がどのように広がっていくのかをよく考えています。
天窓からの光
窓の種類は色々あります。天窓、大開口、通風のための小さな窓。種類によって光の得られ方も様々。
写真は、勾配天井の頂部にある天窓。この大きさで約70㎝×90㎝位あります。光の広がりは、空間の上にいけばいくほど、部屋全体に広がる性質があります。つまり、天窓のような天井面の屋根をつけると部屋の隅々まで光が拡散し、全体を明るくする効果があるので、壁についている窓よりも明るい空間をつくる効果が大きくなります。
また、その天井が傾斜しているのか、フラットなのかにもよって、拡散する度合いが変わります。勾配天井の場合は拡散度合いが絞られ、明暗のコントラストが少し強めになります。
1Fの玄関ホールが暗く2Fが明るい
明暗の効果を利用して、室内の壁の色調を調整することもあります。1Fの玄関ホールはラワンべニアを利用してトーンを落とし、上階は白い空間とすることで、コントラストをはっきりとさせて、自然と目線が上へと広がるように計画しています。
頭の上が位よりも、上の方が明るいほうが、安心感を得られると個人的に思っており、下へ行くほど重い色合いを採用することが多いです。なんとなく落ち着く空間。井戸の底から上を眺めているような。。。
天井に近い窓
光は、反射面があるとより明るくなります。なので、窓の近くに面があるとより窓の効果がUPします。
天井に近い窓は、光が天井面にのるので、拡散光が得られ、上方からの心地よい光に変わります。
同じ大きさの窓でも取り付ける位置によって、意外とかわる室内の印象。
上方が明るい玄関ホール
上からの光が心地よく感じるのは、かなりの人に共通していると思いますが、
設計する時、よく森の中を想像してます。
木々があり、心地よい日陰の中に木漏れ日が差し込んでくる場合、光は上からです。森の中は、水平方向は意外と明るくないこともありますが、水平方向は、視線が抜けていることが心地よさにも影響するかと思います。
兎に角明るい空間をと要望された住宅。3F建てですが、隣地の隙間を探し、開けている所に窓を入れ込んでます。
空間を分けずに吹き抜け等で繋げることで、上から下へと光の連なりをつくっています。
窓によって、得られる室内の質感も様々ですが、どんな状況であっても、敷地の上の方が開いていることが多いので、工夫次第で明るく心地よい空間をつくることができるのではないかと思ってます。
窓を開けることも大事ですが、実は閉じるところをつくることも逆に大切で、一緒に開けることと閉じることを考えながら設計してます。
天井高さ3.5mの中廊下