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取材でOB訪問

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IYs井上です。

2019年にお引き渡しした弊社設計の住宅の取材があり、先日同行して参りました。


台形状の変形敷地に建つ

こちらは、台形状の半島状につきだした変形立地に立つ住宅。
台形の敷地形状に合わせて、凸型に雁行させた平面計画で、緑や光をとり込んだ住宅です。

お引き渡ししてから2年半が経っていましたが、外壁のよごれもさほどなく、綺麗でした。
やはり施工する工務店の質によって、建物のその後の状態は変わっていくのだなぁと思います。
こちらの施工は坂牧工務店です。町田の大工さんがやっている工務店。

軒が出ていることも外壁にとってはよいことなので、プラスに働いていると思います。


LDK

打合せ時は、まだ赤ちゃんだったお子様も大きくなって走り回ってました。この住宅は、敷地が広めなので、雁行させた平面と敷地との隙間が多数発生しているのですが、その外部空間で、遊んだり家庭菜園したりして、昨今の状況でも問題なく快適にくらせているとのことで安心しました。お引き渡し当初は、物置にしていたリビング上のロフトは、書斎兼ヨガスペースに変わっていました。ちょっとした余裕のあるスペースが、居場所をつくっていました。


庭で遊ぶ子供たち

本敷地の地勢は、南側へ行くほど、段々に土地が上がっているので、採光の面ではとても不利な立地。設計時に、敷地や隣地の模型を作成し、日当たりを何度も検討して、冬でも日射が取れるように確認していたのですが、検討通り、きちんと冬でもリビングに直射光が届いていて、とても暖かいですとのことでした。

LDKは、ロフトまで続く天井高さ3~5m強の大空間なので、冬場の寒さも心配事の一つだったのですすが、床暖房もなしでエアコンとガスファンヒーターで十分対応できているとのことでした。やはり冬場の日射の威力はすごいといつも感じます。


ロフトまで続く勾配天井

木の温もりを感じたいとのことで、梁や窓周りの枠に木をつかい、積極的に露出させている意匠計画だったのですが、木の色合いも徐々に濃い目に変わっており、床のオークのフローリングと近づいてとてもよい質感となっていました。

これは、既製品の木目調のシート物のフローリングでは感じられない幸福な変化だと思っています。安価に大量生産し、効率を優先し、クレームがなく変化がない。こうした建材に関する傾向は徐々に変わって来てはいますが、使い手側も変わらない限り、なかなか変わらないのだろうと思いますが、こうした無味な建材は、結局は住む人にとって快適ではなく、企業にとって都合のよいものになっていると感じます。

木は、湿度によって痩せたり変化したりすることもありますが、扱い方さえわかれば、味わい深く、いつまでも良い質感で住む人を癒してくれます。

そうしたよい建材を、これからも多用していきたいと感じる訪問でした。掲載は2月末とのこと。