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注文住宅は、打合せが肝心?!

diary

IYs井上です。

建築設計に携わり始めて、20年ほど経ってしまいました。テナントビル、保育園、店舗、住宅、、、色々設計してきましたが、住宅に関しては、打合せしたご家族をカウントすると、建ったもの、計画で終ったもの合わせて1000件を超えます。

これほど多くの方々の要望を聞いて、形にしていくという作業を繰り返していますが、それでも住宅に関しては、本当に奥が深く、とても難しい。設計がということもありますが、特に、住宅に関しては施主は建築関係ではない一般の方。全く初めての家づくりに対して、説明し、話を伺いながら良い方向に進めていくという、設計+施主との打ち合わせという2重の調整が最も難しいところです。

では、これから家をつくる方にとって、失敗しない家づくりの進め方として、どのようなことが大切になるのでしょうか。

まずは、自分たちの要望・希望を、自分たちが知る。ということが最も重要になります。自分たちが、安くて速いものがいいのか、時間をかけて自分たちに合うものがよいのか、ほどほどのものがよいのか、、、また、それを実現してくれる依頼先はどこなのか?というところの判断も重要になります。

今回は、注文住宅の家づくりで、失敗しない打合せの進め方のコツを書きたいと思います。

まずは、自分たちの要望をきちんと書き出したりして設計者にきちんと伝えるということが重要です。

自分たちの要望は、実は最初に全て把握するということは困難で、進めていくうちにわかってくることが多いのですが、まずは書き出したり、画像を集めたりして、「設計者と共有する」ということが大切になります。

そうした要望を伝えたうえで、出てきた提案プランやデザインに対して、ああしたいこうしたい、という要望が更に出てきますが、

ここで大きなポイント。

設計というものは、つみ重ねつみ重ねの連続なので、進んでいってしまうと、後戻りがとても難しくなります。
なので、きちんと提案されたものを吟味し把握し、それに対しての希望を出さないと、後戻りできなくなってしまうこともあります。
正確に言えば、戻れるけどすごく時間がかかったりすることもあるということですね。

なので、1つ1つ、提案された者に対しての疑問やちょっと違うかなぁと思うことは、どんなに小さなことでも質問したり、解決してほしいということを伝えることがとっても重要になります。

逆に設計者の方はどうかというと、私もそうですが、一部の要望とヒアリングのみで、最適な回答に結びつけることはなかなかないので、1次提案の段階では、「これでよいのか」という疑問が残りつつ、確信がないことが多いです。

そうした不確定な部分は、徐々に施主とキャッチボールをしていくうちに、どこに投げればよいか、というのが設計者もわかってくるので、たくさんのキャッチボール的なやりとりが多いほど、ブラッシュアップしていきます。

一方で、これはやめた方がよいというものも。

それは、ああしたいこうしたいという要望を伝える部分で、具体的な操作の指示を設計者にしすぎてしまうこと。

あまり、形の指示をしてしまうと、設計者としてはがんじがらめになってしまうので、程よい形で、抽象的な要望をだして、設計者に提案してもらいそれに対してコメントしていくという方法が、上手く設計者を生かす方法でもあります。そうでないと良い提案があったとしても、だしずらくなってしまうことも。

まともな、設計者であれば、あれこれと提案してくれるはずです。提案が出ない場合は、投げかけの必要があるかもしれませんが、、、依頼先によって、ハードルが高すぎる要望だと納得できるレスポンスがでない場合もあります。

また、

設計が細かくなればばるほど、図面が詳細化され、図面から立体的なイメージがつきずらくなっていきます。図面を読み取るのは、慣れていない人にはとても難しいのです。

なので、自分たちが伝えた要望が、きちんと反映されているか??という疑問があった場合は、必ず細かく確認しましょう!!

建築設計は、施主の要望を入れ込む他に、法規的なこと、構造的なこと、施工的な納まり、工期等、色々とからみが多く、細かな要望が抜け落ちていることも0ではないのです。

この部分で、

「恐らく伝えたから、反映されているだろう。。。。。」

という想いは、後に大きな事態を招くことにもなりかねないので、確認のキャッチボールがとても重要です。抜け落ちがあまりに多い場合は、恐らくその設計者のキャパがオーバーしているということだと思いますが。

もっとも怖いが、この多分大丈夫的なもの。です。

私たちは、かなり細かな部分まで施主と確認し共有し進めていくことを基本方針としていますが、この部分が抜け落ちていると、設計者と施主とのすれ違いによって、全く違うものができてしまうこともあるのです。

特に抜け落ちてしまいがちなのが、電気や照明計画。

みなさん、間取り的なものや床や壁の素材には、注意を払うと思いますが、照明の位置や形、コンセントの個数など、さらっと進んでしまって、出来てしまってから後悔。。。というパターンがとても多くなります。

私たちも、電気や照明の打ち合わせは入念に行い、後戻りができない部分であることを共有し、デザインを進めていってます。プランも大事ですが、照明やコンセントの計画も本当に生活する上で大切ですし、印象がガラッと変わる部分でもあります。

最後の確認。要望がきちんと反映されているか、不安な点は解決され大丈夫かどうか。そうした確認に次ぐ確認が、良い家をつくっていく地道な手段なのです。

とはいえ、想像を超えるようなものは、設計者の腕次第なところもありますので、自分が依頼している担当者や会社の最大出力を見極めつつ、適度な要望をしていくということが、重要なことなのだと思います。走るのが得意な会社なのか、泳ぐのか得意な会社なのか、、、予算もありますが、依頼先の見極めも本当に重要です。

―ワクワクを1から考える家づくり―
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