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人生100年時代。リタイヤ後、60歳からの平屋住宅。

diary

IYs井上です。

12月も中盤にさしかかり、いよいよ年末ですね。スーパーには正月飾りが売ってました。2023年は、コロナがあり、戦争があり、物価高がありと本当に盛りだくさんの年で、混沌とした世界情勢の入り口に差し掛かったような1年だったと感じていますが、みなさんはどんな年だったでしょうか。

さて、設計の仕事に関してのお話ですが、ここ数年にわたって50代後半から60代の方からの問い合わせが増えています。仕事をリタイヤし、子供たちも独立した後、第二の人生の生活場所というイメージで、自分たちの生活にフィットした家をつくる計画です。医療も進化し平均寿命が延びていくことを考えると、定年後の数十年、今の寒い家に住み続けるのか?という葛藤もあると思います。

私たちのような特殊な設計をしている設計事務所に高齢の方からの依頼があるのは意外かもしれませんが、設計事務所で建てられるかたの多くは、子育て世帯だけではないのです。

理由としては、建売として売り出されている家のほぼ100%は3LDK~4LDKの子育て世帯向けにできていますので、小さな家は売りに出ていないことが多く、1から設計できる私たちのような設計事務所にお願いして建てるという流れが多くなるのだと思います。どうせ建てるのであれば、自分たちの希望がたくさん入った、快適な家で余生を過ごしたいものです。

30年前に買った家から子供たちが独立し、使っていない子供部屋を持て余した住まいは売却。そして駅前のマンションへ引っ越す的なことも多く見受けられますが、マンションは、外部との関係が希薄で、刺激がないと早期にボケてしまうことも大いに考えられますし、子育て世帯でなければ利便性よりも、快適性を重視する方が良いのではとも思います。

戸建て住宅は、マンションに比べると管理は大変ですが、窓を4面とることができますので、通風や採光面での環境刺激があり、周囲に気兼ねなく暮らせるという利点があります。

60歳から住む家としては、どのような家が最適なのでしょうか。要望で多いのは平屋住宅の計画。部屋数は、少なくてよく、LDKは広々としている。孫が遊びに来た時に庭があってバーベキューできる等。。。

30年前に建てた家の仕様と、今の住宅仕様を比べると構造や断熱性能に雲泥の差があります。構造に関しては、ある程度柱や壁があり屋根がかるければ崩れはしないのですが、断熱に関しては断熱材と窓サッシが格段に進化していて、30年前の家特比べると非常に暖かい家で、吹抜や天井が高い家でも問題なく暮らせます。

また、高齢者ともなってくると、ヒートショックという家の中の温度差で心筋梗塞や脳卒中といった病気を誘発してしまうこともあります。なので、1Fには全体的に床暖房を巡らせておくと、トイレや洗面所も暖かく、家の中の温度差がなくなり、病気を誘発するリスクが減らせますし、家全体の断熱性能を高く保てば床暖房すらもいれずに自然光の輻射熱で家の中を温めることも可能になります。

バリアフリーにしたり、庭へ出られる大きな開口があったり、料理を楽しむ広々したキッチンがあったりと、今後も需要は拡大していくでしょう。部屋数は、1部屋でも良いですが、2部屋程度はとっておくほうが、後々のつぶしがきくと思います。そうしていくと、広さ的には25坪程度あれば、1~2名で住むには十分で臨時のゲストルームも作れる程度になると思います。

平屋ですと、基礎や屋根が広い分建築コストが高くなるので、寝室は2Fへもっていって緩やかな階段をつけるのも日々の運動になってよいのではないでしょうか。戸建てというと、子育て世帯を思い浮かべますが、リタイヤ後の注文住宅は、今後も増えていくでしょう。

―ワクワクを1から考える家づくり―
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