OVERVIEW
鎌倉の古民家改修。
以前、鎌倉にて築100年の古民家を改修していた際に、偶然近場の古い民家の改修の話があり、こちらも設計で関わることになった。
日本全国に広がる空家問題は、鎌倉でも同様で、代替わりがうまく行われずに空家と化している住宅は多々存在している。需要はあるが、売り物件にならないような物件が多い中、新たな住宅の改修事例をつくりこうした新陳代謝が促進されればとの思いで、表層的なリノベーションではなく、古い躯体や既存の丁寧に使われていた造作部材を生かしながら、古いながらも新しい表情のある住宅へと生まれかわることを計画している。
そして、既存の住まいは塀でぐるりと囲まれている状態であるが、そうした塀は取り払い、高齢化した地域社会の1つの核となり、周囲の街へと開いていくような住宅の在り方を模索している。
こうした試みは、古くからその場にあった建物であるからこその近隣の人たちの愛着や見慣れた風景が作り出す、新築にはない時間という価値があるからこそできるものがあると考えている。
現在計画と同時に解体工事が進行中。