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建築にかかるコストについて 諸費用辺

diary

IYs井上です。

建築相談をする際に、検討されているお施主様から聞く言葉が、諸費用ってなんだろうという疑問。この諸費用問題は、住宅を建てる際に資金計画をわかりずらくしている大きなポイントでもあると思います。土地と建物の価格がわかっていても、総額がわからないことも。
以前にも書きましたが、あらためて、建築にかかる費用の大まかな割振りを以下に記載します。

①建物本体
②建物付帯費用
③その他の備品
④設計関係費用
⑤外構工事
⑥諸費用

以下それぞれの説明

①建物本体費用について
・純粋に基礎や木工事、内部のキッチンやお風呂、配管工事、等の実質的な建物の工事についてを本体工事ということが多いです。
工務店やハウスメーカーによっては、キッチンやお風呂や配管工事などの設備工事を抜いた部分を本体坪単価として表記して安く見せている会社も以前は多くありましたが、多くは、建物自体の工事費用ということです。

②建物付帯費用
・主に建てる場所によって異なる整備費用。
①は、場所に関係なくかかる建物自体の費用とすれば、②は場所によって発生する費用となります。
例えば、上水道管の宅地内引き込み、傾斜地に発生する土留め擁壁工事、古屋の解体費用等があたります。場所によって大きく異なります。完成している分譲地は付帯費用が少ないですが、インフラも何もないただの空き地に建物を建てる場合は、建てるために必要となる付帯設備の整備費用が多くなるといえます。また、地盤が弱い場合には地盤改良工事が必要となります。全くかからない土地もあれば、川のそばや盛り土で地盤がゆるく、200万をこえる費用が発生することもあります。

③その他の備品
・エアコンやカーテン、家具など
工務店等が手配しないことが多い工事等です。

④設計関係費用
・建物の設計をする費用や、審査機関に申請する際にかかる申請費、検査費、構造計算が必要な場合は、構造設計費等
ハウスメーカーや工務店、設計事務所によっても異なります。私達のような設計事務所の場合は、建物価格の約12~15%程度の設定が多いですが、工務店やハウスメーカーは、この費用を安くしているところも多いと思います。

⑤外構工事
・建物の周りの工事です。
植栽や、駐車場のコンクリート、フェンス、タイル、門柱の工事等。仕様によって、外構費用も意外とかかります。

⑥諸費用
・①~④に関わらない費用で、仲介手数料、登記費用(抵当権、所有権移転、保存、表示登記等)、固定資産税の精算金、ローンの保証料、事務手数料、印紙、水道加入金、火災保険等です。

こうした費用は、直接建て主が不動産会社や銀行や司法書士に支払う費用のため、工務店や不動産会社は、細かく表記しないことも多くわかりずらい原因となります。

登記費用:法務局の登記簿に記載するための司法書士への業務費用や税金で、土地、建物両方にかかります。ローンを利用しない人は抵当権の設定がないので、その分少なくなります。借入額が大きければ抵当権にまつわる税金も多くなり、土地の筆数が多ければ、その分登記する数が多くなり高くなります。不動産会社が算出してくれることが多いです。

固定資産税の精算金:1月1日に土地所有者である売主が固定資産税を1年分支払っているため、土地の引き渡しを受けた日によって日割りで、既に支払っている固定資産税を買主が支払います。2月引き渡しであれば、11か月分、11月引き渡しであれば、2か月分の精算となるので、決済の日によって、変わってきます。固定資産税は、土地の路線価によって変わるので、人気のあるエリアや駅近の利便性がある物件は高くなりますが、郊外の土地は比較的安くなります。

ローンの保証料・銀行の事務手数料:借入金額に応じた費用で、都市銀行だと借り入れ額の約2%、事務手数料も3~10万円かかることがあります。ネット系の銀行ですと、事務手数料だけで保証料がかからない所もあります。ローンの保証料とは何かというと、保証人を立てないかわりに保証会社に支払う保険金となります。ローンにまつわる費用も、借入する銀行によって大きく変わります。ただ、建売を買う場合と、土地と建物が分かれて注文住宅でやる場合には、ネット系銀行ですと、支払いの分割ができない所も多いので、注意が必要となります。

仲介手数料:購入の際に不動産会社に支払う費用です。物件の約3%+消費税がかかります。物件価格が高ければ手数料も高額となりますが、不動産会社によっては、手数料を割り引いていたり、お施主様からはもらわないという会社もあります。また、販売業者から直接買う場合は、仲介手数料は0円となります。

火災保険:ローンを利用する場合は必須となります。現在では年払いか10年まとめて支払うか等選べます。
水道加入金は、自治体によってかかる場合とかからない場合がありますが、水道を新規で宅地内に引込んだ際に発生します。

以上がおおきく分けた住宅を建てる際に関わる費用です。

土地と建物の値段が見えても、諸費用という不明な金額が頭を悩ませます。
大体物件価格の7~8%といわれますが、仮に5000万の土地+建物であれば、350~400万となりますが、
借り入れの銀行や、不動産会社の手数料、火災保険のかけ方によって大きく変わるので諸費用を抑えていく方法も色々とあります。
とはいっても一生に1回あるかないかの買い物なので、なかなか全体像を詳しくわかっている方は少ないです。

私は、以前に不動産の会社にもいたので、そうした全体の資金計画を参考でしています。不明確な部分の費用を明確にすることで、希望の建物を建てられると良いですね。