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2世帯住宅のお引き渡し

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IYs井上です。

日に日に涼しい日が増え、いつの間にか夏が終わってしまいます。
最近は、過ごしやすい日が増えてきたので、テラスでビールでも飲みたい気分。

先日いただいたビールの箱は、テラスで飲む前に飲み干してしまいました。。。

さて、
先日、相模原で進めていた2世帯住宅がお引き渡しを迎え、外構も無事に終了いたしました。


L型の少し囲まれた壁付けキッチン

施主のご夫妻から、最初にお問合せいただいたのは2年近く前。依頼先をどこにするのか、、、色々と検討いただいたうえで弊社のような設計事務所を選んでいただき、ありがたい限りです。設計事務所は、工務店やハウスメーカーよりもより細かな検討や提案力があることが売りですが、費用が最初の段階では見えにくく暫定的なものになることが常です。そうした不安感もありますが、予算をたて、プランをつくり、見積もりをとって調整するという地道な作業を繰り替えし、予算の中に納まるように設計していきます。これは設計者と施主夫妻の信頼関係が構築できなければ、なかなか着地しない作業です。

途中ブランクもありましたが、なんとか無事にお引き渡しができ感慨深いものがあります。

今回は建替えだったので、古家があり、それを壊して新しい家にする設計でした。


3階からリビングを見る。

古い家は築50年近い年季の入ったものでした。商店を営んでいたこともあり、使われなくなった店舗があり、少し薄暗い室内でなんとか新しくして良い環境にという、ご夫妻とご両親の2つの世帯の想いを入れ込んでいきました。


切妻形状の家が飛び出したような外観。1Fはカラマツ貼り

今回は1Fに親世帯、2,3Fに子世帯が入ってます。3階建てとなると、こうした形式に落ち着くことが多いです。世帯間の床には、防音にも配慮してます。木造なので限界はありますが、少しでも配慮してます。この最終的に実現したプランの前にも、たくさんの検討プランがありました。

1つの敷地に対して、何が適当で住まい手にフィットするか。斬新なプランだけが回答ではなく、様々な角度でプランを提示していきました。


ラワンの曲面の壁に光が映り込む

最終的な着地点は、やはり住まい手の実現したい要望が少しでも多く入っているもので、且つこの場所でしかできなかったというような、特徴が決め手になることが多いです。今回は、2F3Fが張り出した形状ですが、駐車場の取り回しや南側に空地を取ることなどに起因して、この形状になりました。


2FのLDK

2Fは、階段を中心に小さなエリアが大小つらなるワンルーム。視線が抜けつつ回遊でき夫妻が同じ空間にいてもそれぞれの居場所があります。床は樹脂タイル。壁はラワン合板を塗装しています。


トンネルのような階段

1F玄関から、2Fへ上がってくる階段は、木のトンネルのようなアプローチ。3F建ては階段がネガティブな要素になりがちですが、映画館のような雰囲気のあるトンネルのような空間にすることで、ワクワク感が高まります。

南側には吹抜とたくさんの窓。将来南側に大きな建物が建つ可能性があり、空地をとりながら窓をたくさん設けて将来的な採光に配慮しています。


洗面台

洗面台は大工造作にて。古家に貼ってあったタイルに似たようなレトロな雰囲気のタイルをはっています。ミラーや棚もオリジナル設計で大工造作。ラワン材です。

階段もオリジナル造作。大工さんの精度が高いです。入居後、たくさんの写真を送っていただける施主ご夫妻。設計者は、自分の設計した住宅には住むことがないので、いったいどんな生活が広がっているのだろうと、日々考えていますが、こうして色々なシーンを写真で送ってきていただけるととても嬉しい気持ちになります。

住まいの設計は、始める時は未知なことが多いです。本当にできるのか、予算に収まるのか、理想のプランは生まれるのか等。。。設計者との相性もとても重要ですが、こうしてある程度お任せいただきながら良い形でお引き渡しできたことに感謝しています。

心に残るお引き渡しでした。