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【建築家とつくる家】防火地域の木造住宅(新しい事例掲載)

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IYs井上です。

2024年が始まり、昨年の停滞感が嘘のように、様々なプロジェクトが動き始めています。
いつも思いますが、こうした流れは波のように流動的で、突然やってきます。。。もう少し計画的に来てほしいものですが、色々と依頼をいただけることに感謝です。

さて、

2年前くらいから計画し、昨年完成していた豊島区の住宅の完成写真が出来上がりましたので
事例にUPしております。
文面は、追って掲載する予定でまずは、写真のみの掲載となります。


上へ行くほど小さく、色が淡くなってる

本住宅は、都心の駅に近い密集地にある住宅です。古い家があり、それを建て替える所からの相談となりました。
敷地は角地で、日当たりは抜群なのですが、人通りが多くプライバシーを守りながら内部に心地よい空間を如何にしてつくるかという命題がありました。

また、防火地域ですが建物を準耐火建築物(木造3F建と同仕様)として100㎡以内とすることで、木造にて建築することが可能となり、鉄骨やRC造で建てるよりもコスト的メリットが格段に上がる。床面積が足りないところは、ロフトや蔵収納という、延べ面積に入らない空間をたくさんとることで、100㎡分は居室エリアにまるまる当てて、収納は延べ面積外のところにすることで、100㎡という感覚以上の住空間ができています。


南東の角地

居住者は、夫妻とお母さんの2世帯住宅です。2世帯といっても完全分離ではなく、水回りも共有しながらの形式なので一般的な核家族住宅と同じような感覚。

一緒に住む高齢のお母さんは、歩くにも補助が必要であまり外にも出かけられませんでした。
そのため、私たちは内部空間を日の光がたくさん入り、大きな空間とすることで外のような心地よい場所をつくり
外に出かけられなくても、心地よく過ごせる場を構想しました。


東側にはリビングとお母さんの部屋から見える坪庭を設けた


夜は照明で違った雰囲気に


お母さんの部屋、小物が好きなので小さな棚を設けた

LDKは天井高さ3.7mをベースに、更に天井が折りあがり最大9mの天井高さから、光が内部に降り注ぎます。

天井は2段階に折り上がりながら、ワンルーム状の空間に起伏を生み出します。天井の高さの違いと、床のスキップフロアで、ワンルームながら様々な居心地があります。


9m近い天井から光が入る


書斎

基本的にリモートワークが中心のため、中二階には書斎がある。書斎の横の棚には、亡きお父様の彫刻が。棚は大工造作、照明計画はIYsでしてます。

キッチンから見ると、書斎へいく階段とその上へいく階段が立体的に見える。キッチン横の小部屋はパントリー収納。1畳強の広さです。

洗面も大工造作+家具屋さんのミラーキャビネット。各衛生器具は施主夫妻拘りの選定。洗面所は、いつものように廊下に面していて、脱衣所とは分けてます。ミラーの下部には照明が入っており、手元を照らしながら反射光で下から顔を照らしてくれるので、お化粧するときも見やすいとご好評いただきました。

キッチンも造作しています。天板はステンレスのバイブレーション。面材はラワン合板にオイル系塗装と、EP塗りつぶし塗装

箱は大工でつくっており、扉と天板を家具屋さんに依頼。

寝室は、オープン空間でカーテンで仕切る形式に。奥は、テラス。

テラスの壁は高めに立ち上げて、周囲からの視線に配慮している。パーゴラは、夏の日除けのため。可動のオーニングがついています。

一番上の小屋裏収納から下階を見た写真。テラス側に大きな窓があり、テラスと室内の視線が繋がります。谷のような風景。

お風呂も造作しました。高級品です。

ねこちゃん用の、遊び場もつくっています。良く使ってくれているようです。

夜の天井。

脱衣所は、洗面エリアとは別で小さく分けてます。幹太くんと洗濯機が縦に並ぶ。脱衣所が独立していることで生活感を隠せます。

ねこちゃん。かわいいです。終始、撮影を見守ってくれました。

夜の雰囲気は、昼とは別物。照明の量を抑え気味にしてます。調光式なので、シーンに合わせて光量を調整できる。

都心の人通りの多い角地という条件でしたが、上へと空間を伸ばすことで、快適な住まいをつくっています。2階建てですが、一番高い塔状の吹抜は3階くらいの高さなので、2階建てにはない教会のようなスケール感で不思議な感覚でした。天井が高いっていいですね。

ちなみに、元々建っていたお住まいにも、アトリエが併設されていてそこの天井高さは8mくらいありましたので、なんとなく以前の家の痕跡のようなものが残せた気がしました。亡きお父さんが見守ってくれているようです。

そして、建物が完成して、施設に一時的に入っていたお母さんが建物を見た時の満面の笑みが私の心に強く残りました。お母さんの部屋にはもともと使っていた思い出の照明を組み込んだりと、新しいけど昔の痕跡もいろいろと残した建替え計画でした。

色々と依頼先がある中で、IYsにお声がけいただいた施主ご家族に感謝しております。詳しい文章は、追って掲載します。

―ワクワクを1から考える家づくり―
IYsは、心地よい、楽しい空間を1から考える設計事務所です。ZOOMでのご相談は、計画の初期段階でも随時受け付けておりますので、以下メールより気軽にお問合せください。m(@_@)m
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